滋賀医科大

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 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が、国民の体や生活習慣にどのような影響を与えているのかについて、三浦克之・滋賀医科大NCD疫学研究センター教授らの研究グループが調査結果をまとめた。体重が1キロ以上増えた人が2割以上おり、特に女性は3割近くに達した。一方で、野菜を摂取する頻度が増えた人も1割以上いた。自宅での調理が増えた影響とみられ、全体的には「悪い変化と良い変化の両方が見られた」と分析している。

 調査は2010年に国が実施した国民健康・栄養調査に参加した男女を対象に昨年10月に実施。昨年4~5月の緊急事態宣言下で、その直前に比べて体重、食生活、身体活動量などに変化があったかを主に郵便で尋ね、設問に全て回答した1981人(男性808人、女性1173人)の結果をまとめた。

 体重では、「3キロ以上増えた」が4・8%、「1キロ以上~3キロ未満増えた」が18・5%で、1キロ以上増えた人は計23・3%(女性27・4%、男性17・4%)だった。最多は「変わらなかった」の63・6%で、1キロ以上減った人は計9・9%、「分からない」が3・2%だった。

 生活習慣では、運動、仕事、通勤・通学、散歩といった身体活動量について27・7%が「減った」と回答。一方、自宅で調理した物を食べる頻度は17・6%が「増えた」と回答し、「減った」の2・6%を大幅に上回った。野菜を食べる頻度や量も「増えた」が13・8%で「減った」(5・9%)の倍以上だった。

 年齢で見ると、65歳以上の高齢者より、65歳未満(30~64歳)の現役世代の方が食生活の変化が顕著だった。体重が1キロ以上増えた人の割合は30・9%で、高齢者(18・6%)の倍近く、スーパーやコンビニエンスストアの弁当・総菜、テークアウト、デリバリーの利用頻度が増えた人も15・7%と高齢者(7・8%)の倍近くに達した。

 三浦教授は「在宅勤務の増加や外出自粛が、特に65歳未満の食生活に変化をもたらしており、高血圧や糖尿病といった生活習慣病が増える恐れがある」と考察している。

 調査結果は滋賀医科大のホームページで公開している。