妊産婦死亡の原因で最も多いのは「自殺」―。2018年に国の研究機関が出した調査報告などを受け、近年、出産後に心身が疲弊した母親を支援する「産後ケア」態勢の整備が急がれている。ホルモンの乱れや睡眠不足で10人に1人が「産後うつ」を経験するとされるが、孤立しがちな母親に支援の手は届いているのか。

「どうして倒れるまで1人で頑張ってしまったのか。今思うとホルモンバランスが崩れ、判断力も弱っていたのかもしれません」

 こう振り返るのは、3年前に長女を出産した会社員の女性(31)=京都市上京区=。実家が遠方な上に、産後に夫の仕事が繁忙期を迎えたことから、新生児期から過酷な「ワンオペ育児」が始まった。

 抱っこしないと寝ない子だったため、自身は細切れで1日に5時間だけでも寝られたらいいほう。ボロボロの体で育児と家事に追われ、産後1カ月が過ぎた頃、背中の激痛と高熱に襲われた。診断は、細菌が引き起こす腎盂腎炎(じんうじんえん)。泣く泣く子どもを家族に預け、病床に伏せった。

 当時は、周囲に頼りたくないという気持ちが強かったという女性。「今同じ立場の人がいれば、自分だけで抱え込まず、産前から頼れる人や場所を探してと伝えたい」