大津地裁

大津地裁

 福井県の東尋坊で2019年10月、滋賀県東近江市の嶋田友輝さん=当時(20)=が遺体で見つかった事件で、殺人と監禁、傷害の罪に問われた住所不定、無職上田徳人被告(41)の裁判員裁判の判決公判が16日、大津地裁であり、大森直子裁判長は、求刑通り懲役10年を言い渡した。事件で起訴された7人のうち、実刑判決は6人目。

 判決によると、上田被告は、嶋田さんが暴力団関係者とトラブルを起こしたことに立腹し、事件当時未成年だった元少年(21)=殺人罪などで公判中=と暴行を開始。少年ら6人と共謀し、19年10月17~18日、滋賀県長浜市で嶋田さんの脚を車でひくなどして、車に閉じ込めて東尋坊に向かい、同18日、崖から飛び降りさせ死亡させた。

 裁判では、上田被告の関与の程度が争点となり、弁護側は「元少年らに言われるがまま東尋坊まで車を運転したに過ぎない」などと主張していた。

 大森裁判長は判決理由で、「元少年らの暴行によって、ひどい傷害を負っていることを認識しながら助けず、犯行の継続に寄与した」「被告人が被害者と元少年らを東尋坊に連れて行ったからこそ殺人が実現し、役割は重要だった」などとして共同正犯の成立を認め、「極限状態まで追い詰めた被害者に自ら命を絶たせるという殺害方法は卑劣で極めて悪質」と非難した。

 この事件で大津地裁はすでに主犯格とされる元少年を除く18~20歳の計5人に対し、懲役10年以上15年以下などの不定期刑(確定)を言い渡している。元少年には7月14日に判決が言い渡される見通し。