校長から修了書の入った筒を首にかけられる藤居さん(長浜市湖北町・朝日小)

校長から修了書の入った筒を首にかけられる藤居さん(長浜市湖北町・朝日小)

 滋賀県長浜市の県立長浜養護学校小学部6年藤居夕葵(ゆき)さん(12)が19日、同市湖北町の朝日小で開かれた卒業式に出席し、卒業証書の代わりとなる「修了書」を授与された。藤居さんは難病を抱えながら同小でも学んでおり、ともに成長した同級生32人とともに門出の喜びを分かち合った。

 藤居さんは、女児の1万人に1人の割合で発症するとされる神経系難病「レット症候群」。言葉が話せず、生活には介助が必要だが、3年生までは同小に通っていた。

 4年時から養護学校に移ったが、障害のある子とない子がともに地域で学ぶ「インクルーシブ教育」の一環として月に1、2回は同小で授業を受けた。

 同小では、養護学校教員らの支援を受け、同級生と同じカリキュラムで学んだ。同級生も教室移動などを手伝い、藤居さんの学びを後押しした。藤居さんと同小6年生はこの取り組みで、県教育委員会が本年度に創設した「インクルーシブ教育賞」の小学生部門を受賞した。

 修了書の授与は本野宇市校長の発案で、藤居さんは15日にあった養護学校の卒業式に続き、同小の式典に臨んだ。本野校長から修了書の入った筒を首にかけてもらうと笑顔を見せ、何度も短い声を発してうれしさを表現した。県教委によると、養護学校の在籍児童が地元小学校の卒業式に出るのは珍しいという。

 まな娘の晴れ姿を見守った父親の貴之さん(40)は「地域の学校で学べたのは、あの子にとっていい経験になった。良い同級生に恵まれ、学校にも感謝したい」と話した。