京都市などが開発した木製の防火雨戸(市提供)

京都市などが開発した木製の防火雨戸(市提供)

 京都市が京町家の保存の一環で開発した独自の木製雨戸が、建築基準法に基づく防火設備として認められた。木造建築の京町家に合う外観を維持しながら一定の防火性能を持っており、市は今年秋ごろまでの実用化を目指している。

 建築基準法は隣の家や道路に近い窓について、炎に一定時間耐えられる性能を求めている。そのため、京町家であっても耐火性のあるアルミサッシや金属製のシャッターが取り付けられることが多い。木造以外の建具が混在して外観が損なわれることから、市は景観と耐火の両立を目指し、府建築工業協同組合や早稲田大などと共同で2018年から火に強い木製雨戸の研究を進めてきた。

 開発した木製雨戸は近隣から延焼した際、炎が建物内部に入り込む隙間をなくすことに重点を置いた。熱で膨張する化学素材を組み込むなどの工夫で内側に火が到達するまで約20分間耐えることができ、屋外に逃げる時間を確保しやすくなるという。枠の縦の長さが2メートル以下、横幅が3・03メートル以下、戸が2~3枚で厚さ3センチ以上の規格で同様の性能が保てるとする。

 市は当初、市条例に基づく独自の安全基準の下、市内のみでの普及を考えていた。しかし、燃焼実験を繰り返し建築基準法を満たす防火性能が確認できたため、今年4月に国土交通相の認定を取得した。今後、市は講習会などを通して業者に製造ノウハウを伝え、流通の促進を図る。

 市建築指導課は「特殊な技術は必要なく一般的な工務店でも作ってもらえると思う。市内の京町家以外でも広く使ってもらいたい」としている。