ヨシぶき屋根職人の竹田さん。ヨシの魅力を広げる活動を続けている(滋賀県近江八幡市安土町下豊浦)

ヨシぶき屋根職人の竹田さん。ヨシの魅力を広げる活動を続けている(滋賀県近江八幡市安土町下豊浦)

 琵琶湖で最も大きな内湖「西の湖」(近江八幡市)。国の重要文化的景観に西部のみが「近江八幡の水郷」として選定されていたが、旧安土町域の東部も新たに答申で追加され、西の湖全域が対象となる見通しになった。地場産業のヨシ生産や里山の環境保全を続ける住民からは、喜びの声が上がった。

 水郷地帯に広がるヨシ地の清掃活動などを行う「ヨシ群落保全団体」の橋博会長(82)=滋賀県近江八幡市安土町常楽寺=は「西の湖の多くは旧安土町域だったので、一体として選ばれることになり良かった。環境を守りつつ、観光名所として発展させたい」と次の目標を語る。

 地域の拠点施設「西の湖すてーしょん」(安土町下豊浦)を運営するNPO法人の三村善雄理事長(81)は「素晴らしい風景が見られる憩いの場」と胸を張る。カフェ運営やクルーズ船の運航などを続け、「今後も内湖の魅力を伝えたい」と話す。

 ヨシは人々の暮らしとも関わりが深い。ヨシぶき屋根の職人竹田勝博さん(77)=下豊浦=は「ヨシには水質浄化や野鳥の生息地など多くの役割がある。追加選定により湿地の重要性を見直す機会になれば」と期待する。近年はヨシの需要が低迷しており、「次世代に水郷やヨシ地をどう伝えるか広く考える必要がある」と力を込めた。