国会議事堂

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 今年4月から、看護師の日雇い派遣が介護施設など向けにできるようになった。
 
 規制緩和の一環で、「NPO法人日本派遣看護師協会」が国に提案していた。
 
 通常国会の審議では、この施策の実現をめぐり、ある事実が浮かび上がった。
 
 同協会の実態は看護師派遣会社で、会社の代表が一時期、規制改革会議の委員も務めていた、という。

 厚生労働省が昨年、介護や障害者施設を対象に実施した調査では、看護師の日雇い派遣のニーズはない、という結果が出ていた。派遣事業主への聞き取りでも同様の報告がされていた。

 ニーズもないのに、利害当事者が、自らの利益につながる政策を提案していたことになる。

 一連の経緯は共産党の倉林明子議員(参院京都選挙区)らの質問で明らかになった。

 看護師出身の倉林氏は「看護の仕事は連続性が重要。細(こま)切れの派遣はケアの質の低下に直結する」と危ぶむ。

 理解に苦しむのは、特定の人たちによる我田引水の提案を、政府が認めていることだ。

 倉林氏の質問に規制改革推進室の担当者は「利害関係者だからこそ分かる規制改革の必要性がある」と答弁した。

 しかし、すべての利害関係者の提案が採用されるわけではない。米国では「強欲」と呼ばれる、資金力のある業界の要望が取り入れられる実態があり、批判を招いている。次の国会で議論を深めるべき課題だと思う。