滋賀県内のアスベスト(石綿)工場などで働き、中皮腫や肺がんで亡くなった男女2人の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟は20日、大阪地裁(倉地真寿美裁判長)で和解が成立した。国が計約1752万円を支払う。大阪アスベスト弁護団によると、県内に立地する工場の元労働者が和解に至ったのは初めて。

 男性は1954~69年に大津市の工場で石綿製品を使った作業に従事しており、2010年に胸膜中皮腫で亡くなった。和解金は約322万円。女性は建材を製造する県内の石綿工場に勤務し、肺がんを発症した。

 県内在住の遺族が、厚生労働省から国家賠償訴訟を促す個別通知を受け取り、大阪地裁に提訴していた。

 国は14年の泉南アスベスト訴訟の最高裁判決を受け、1958~71年に石綿工場で働き、中皮腫などの関連疾患を患った元労働者やその遺族と和解し賠償金を支払っている。

 弁護団によると、滋賀で通知があったのは36人に上る。無料相談に応じており、「潜在的な被害の掘り起こしを進めたい。疑いがあれば相談してほしい」としている。アスベスト弁護団090(3273)0891。