マウスも準備運動をする?

マウスも準備運動をする?

 歩き出す前にはマウスも「準備運動」している-。そんな研究成果を京都大のグループが発表した。人工知能(AI)を駆使して、マウスの動きと体温変化を3日間にわたって1秒間に30コマ単位で計測。マウスが歩き出す前にその場で小刻みに動き、体温も上がることを突きとめた。薬学研究科の土居雅夫教授は「マウスをひたすら観察するという基本を極めた。言ってみれば究極の『夏休みの自由研究』」と笑う。

 生き物に備わっている体内時計によって、1日の体の動きや体温が一定の周期を刻むことは知られていたが詳細は不明だった。体の動きと体温の関係を調べるため土居教授らは、AIを使ってマウスの行動を観察することにした。

 ケージの中で12時間おきに明暗を切り替えつつ4匹のマウスを観察。背中部分の温度を測りながら、ケージの映像を約30万画素に分割して動きを分析した。その結果、じっとして休んでいたマウスが歩き出す数分前から体温が上昇し、体が微動しているパターンの存在を確認できた。体の微動後に必ず歩き出すとは限らないことも分かった。

 体温の上昇と体の微動の間にどのようなメカニズムが介在しているかは、今後の研究が必要という。土居教授は「思わず笑ってしまう内容かもしれないけれど、体の動きと体温のリズムの解明につながる重要な成果なんです」と胸を張る。研究成果は米科学誌プロスワンに掲載された。