きょうは春分の日。桜の開花も近そうだ。着飾って出掛ける人々を見て、長屋の皆で花見をしようとなるのは、上方落語「貧乏花見」である▼何しろ先立つものがない。酒の代わりに「渋口」のお茶、かまぼこではなく焦げ飯の「カマゾコ」、だしじゃこの「尾頭付き」を持ち込む。「心まで貧乏すな」と酔ったふりをするが…▼きょうは統一地方選が始まる日でもある。まずは11道府県知事選が告示される。12年に1度、参院選もある「亥年(いどし)選挙」のスタートだが、一部を除いて盛り上がりに乏しいようだ▼何しろ「統一」されてない。今回実施されるのは、全地方選の4分の1くらいになりそうだ。京滋の知事選は昨年済んだ。しかも、続く41道府県議選では、議席数の3割近くが無投票の見込みという▼疲弊する地方では、議員のなり手不足も背景にある。とはいえ、知事選で与党候補と野党統一候補が激突するのが、北海道だけとは寂しい。事実上の与野党相乗りも見られる。参加しないと心まで貧乏になってしまう▼酔ったふりに飽きた長屋の連中は、けんかのふりをして他の一行をどかし、酒肴(しゅこう)をせしめる。4知事選では、保守系が内輪で争い、結果として票を掘り起こすかもしれない。多少しこりは残ろうが、花見のようににぎやかな選挙を見たい。