書き込みがある教科書や日記など、自筆資料が並ぶ展示(京都府亀岡市古世町・市文化資料館)

書き込みがある教科書や日記など、自筆資料が並ぶ展示(京都府亀岡市古世町・市文化資料館)

 京都府亀岡市が、歴史家で京都大名誉教授の故上田正昭さんの蔵書を閲覧できる「上田文庫」の創設を目指し、資料の整理を進めている。市内の自宅には約4万冊の蔵書のほか、多数の日記や自筆原稿が残されており、市は「貴重な財産を広く役立てたい」としている。

 上田さんは日本古代史の研究者として多忙な中、市史編さんに携わったほか、「丹波学」を提唱して市の生涯学習の取り組みに多大な寄与をしたとして、2006年に市名誉市民に選ばれた。16年3月に88歳で亡くなった後、市が遺族と協議し、文庫創設に向け、昨春から資料の目録作成を始めた。

 これまで約1万冊の目録化を終え、現在、市文化資料館(同市古世町)で、一部の遺品が展示されている。表紙に「随想録」「一歩後退二歩前進」と書かれた17歳~21歳の日記や、学生時代の教科書と卒業論文の草案、鴨沂高教員時代に顧問だった地理歴史研究会の会報など、自筆原稿25点と生前の写真50枚が並ぶ。

 19歳の時に創刊した「郷土」には、「郷土愛に就(つい)て」と題して、グローバルな視点から地方史を研究する大切さを説いており、同館の樋口隆久文化財専門官は「上田先生の原点や人となりを感じてほしい」としている。4月7日まで。入館料必要。