1970年代に参拝を事前予約制にして以来、初めてネット予約を開始した西芳寺(京都市西京区)

1970年代に参拝を事前予約制にして以来、初めてネット予約を開始した西芳寺(京都市西京区)

 40年以上にわたって往復はがきのみによる参拝申し込み制を続けてきた世界遺産・西芳寺(苔寺、京都市西京区)が、今月1日からインターネット予約を始めた。

 西芳寺は1970年代の京都観光ブームを機に、寺院本来の宗教的な雰囲気を保ちたいとして77年に参拝を事前申し込み制にした。当時は往復はがきが一般的な通信手段だったが、ネットが普及した今も当初の方法をかたくなに守ってきた。

 はがきを書いて投函(とうかん)し、返事が来るまで待つ行為はネット申し込みに比べると手間も時間もかかる。藤田隆浩執事は「その手間の中に新しい発見や気付きがあるかもしれない。手軽さだけに価値を求めることに違和感がある」と語る。

 だが、先々の予定を立てにくい人などが申し込みをためらう一面もあったことから、後援団体「西芳会」の協力を得て、空きがある場合に限り、1週間前から前日までネット申し込みも受け付けることにした。一方、現在も往復はがきによる申し込みが基本であることに変わりはなく、藤田執事は「まずはお寺に来ていただき、私たちがはがきにこだわり続ける思いを伝えたい」と話している。