砲弾の一部とみられる破片(23日午後5時30分、高島市朽木荒川)

砲弾の一部とみられる破片(23日午後5時30分、高島市朽木荒川)

饗庭野演習場で起きた近年の誤射

饗庭野演習場で起きた近年の誤射

着弾付近で一列になり、砲弾の破片を探す自衛隊員(23日午後4時9分、高島市朽木荒川)

着弾付近で一列になり、砲弾の破片を探す自衛隊員(23日午後4時9分、高島市朽木荒川)

 23日午前10時40分ごろ、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で訓練中に発射された120ミリ迫撃砲弾1発が敷地境界を越え、西に約1キロ離れた山林に落下した。陸自今津駐屯地(同市今津町)と高島市が発表した。けが人や被害の情報はないという。

 「バーン」。雷より大きな爆発音が一帯に轟(とどろ)いた。砲弾は近くの国道の工事現場にいた作業員の頭上を飛び越えて着弾し、破片が木の幹を大きくえぐった。約2年半前には同演習場の砲弾が国道脇に飛び、乗用車が損壊する重大事案が起きた。陸自が強調した再発防止の徹底は何だったのか。住民からは「安全に対する意識が欠けている」と怒りの声が相次いだ。

 着弾地点とみられる山林の東側には国道367号が走る。一帯は拡幅工事中で、男性作業員(26)は「雷より大きな爆発音がした。振動も感じ、びっくりした」と恐怖の一瞬を語った。別の男性作業員(62)は「最初は工事現場で交通事故が起きたと思った。道路と反対側の山の中を見ると白い煙が見えた」と話した。

 着弾地点とみられる山林の斜面にある木の幹は大きく損壊し、120ミリ迫撃砲の破壊力を伝える。現場には自衛隊員が続々と集まり、人海戦術で破片の回収作業を続けた。

 現場の南東にあり、33世帯が住む同市朽木荒川の惣田区長を務める会社員石田益己さん(36)は「一歩間違えれば大惨事になっていた」と憤る。2018年にも迫撃砲弾誤射、19年には照明弾の落下事故もあり、場外着弾事案は過去6年で4件目。「(陸自は)住民の安全に対する意識が欠けている。原因の究明と具体的な再発防止策を徹底してほしい」と怒りをあらわにした。夕方になっても陸自や市から連絡はなく、「発覚直後に防災無線で流すなど、速報するべきだ。説明責任を果たしてほしい」と訴えた。