豊臣秀吉による改造後の京都を描いた「誓願寺門前図屏風(びょうぶ)」(京都文化博物館所蔵)は、桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した絵師、岩佐又兵衛の作品と考えられています。東西方向を圧縮し、画面の上から下に向かって三条大橋と三条小橋、左右方向に寺町通を描き、近世初頭の都市景観をいきいきと伝えています。近くの店や通りには身分も性別もさまざまな人を描きこみ、当時のにぎわいや風俗もぎゅっと凝縮して見せてくれます。

 ただし、文化財としては下地の木組がゆがみ、画面が見えにくくなるなど、経年による多くの問題を抱えていました。このため、2015年から文化財保存・修復を手掛ける岡墨光堂(京都市中京区)の協力を得て、解体修理に取り組んできました。今回はこれに伴う調査でわかったことを紹介したいと思います。