琵琶湖の浜辺で「ハワイっぽく」サーフボードを手にする山田さん。琵琶湖では自然の波だけでサーフィンはできないが、北比良では、パドルで水面を進むSUP(サップ)が体験できる=大津市北比良

琵琶湖の浜辺で「ハワイっぽく」サーフボードを手にする山田さん。琵琶湖では自然の波だけでサーフィンはできないが、北比良では、パドルで水面を進むSUP(サップ)が体験できる=大津市北比良

北比良の浜辺で定期的に開かれているハワイアン音楽のライブ。MARTYさん(左)らミュージシャンの交流も広がっている

北比良の浜辺で定期的に開かれているハワイアン音楽のライブ。MARTYさん(左)らミュージシャンの交流も広がっている

 琵琶湖をハワイに!?―。大津市北比良で地元のカフェが中心となって「びわ湖ハワイ化計画」というユニークな活動に取り組んでいる。単なる土地まねではない「自然と調和したライフスタイル」への思いがあふれ、ミュージシャンや訪れる人々にも共感の輪が広がっていた。

単に似せることではない

 グラデーションがかかった青い空、遠くに浮かぶ緑の山々、浜辺に打ち寄せる白波。ここはハワイ…ではない。琵琶湖だ。「今日は北比良がすごくハワイっぽく見える日です。梅雨時に快晴とはラッキーですね」

 そう話すのは北比良の湖岸でカフェ「Rcafe(アールカフェ)」を開いている山田行信さん(47)。店にはアロハシャツやウクレレが飾られ、外に出ると、南国風の壁面アートが。至る所に「ハワイ」をちりばめている。

 見た目だけではない。カフェ前の浜辺では、ハワイアン音楽のライブやフラダンスのショーを、新型コロナウイルスの感染状況を見ながら毎月開催。ゆるやかなメロディーが夕暮れの浜辺に響き渡る。

 「誤解されがちなのですが、ハワイ化計画は琵琶湖を単にハワイに似せることではない。自然と調和したハワイのライフスタイルを発信して、滋賀の魅力に気づいてもらうことが目的です」と活動の真意を口にした。

■自然の豊かさ、滋賀も負けていない

 山田さんがハワイを初めて訪れたのは2010年。朝、海辺を散歩すると、住民がヨガや太極拳を楽しみ、お年寄りまでがサーフィンをしていた。山に向かうと、犬の散歩がてらハイキングをする人々とすれ違う。街を車で走り、左折(米国は右側走行)しようとすると、対向車が「どうぞ」と譲ってくれるおおらかさ。休日には家族はもちろん、親戚も集まって公園でバーベキューを楽しんでいた。「笑顔の人が多くて、豊かな自然と調和し、家族を大事にするライフスタイルに文化を感じました」

 あこがれと同時に「自然の豊かさなら滋賀県もハワイに負けていない」と思った山田さん。「湖と山を生かした滋賀らしいライフスタイルを北比良で広めたい」と志した。インパクトのある活動名として選んだのが「びわ湖ハワイ化計画」だった。

 試しに、カフェ近くの浜辺で満月の夜にヨガをしたり、近くの山を愛犬と一緒にハイキングする催しを開いたりすると、参加が多く、手応えを感じた。「夏なら足を水につけて、秋冬ならたき火にあたって、浜から星空を見上げる。それだけでぜいたくな気分になれる。琵琶湖っていいなと思ってもらえる」