動物のスケッチや観察記録は1600枚以上にもなる

動物のスケッチや観察記録は1600枚以上にもなる

動物園で絵を描く琴塚さん。手に付いた鉛筆の粉で用紙が汚れないように、左側から絵を描き進めるという(2020年8月、京都市左京区・市動物園)=琴塚さん提供

動物園で絵を描く琴塚さん。手に付いた鉛筆の粉で用紙が汚れないように、左側から絵を描き進めるという(2020年8月、京都市左京区・市動物園)=琴塚さん提供

■園長もファン「本当にリアルで魅力的」

 4月下旬、園は緊急事態宣言で臨時休園になった。今回の個展に向けて描いていたキリンのイブキは未完成だったが、「写真では情報量が足りない。自分の目で見たい」。琵琶湖疏水を挟み、園外から双眼鏡でイブキを観察して描き上げた。

 琴塚さんは園内でちょっとした有名人だ。背後から「あの人すごい」と声が聞こえたり、美大の受験生から矢継ぎ早に質問されたり。動物ではなく、琴塚さんに会いに来る人もいるという。

 同園の坂本英房園長もファンの1人。「昔も今も駆け出しの画家や美大生ら動物を描くために動物園に来る人は多いが、琴塚さんの絵は本当にリアルで魅力的。単なるゾウではなく、特徴を捉えているので『あ、(冬美)トンクンだ』とすぐに分かる」と絶賛する。

 個展「動物との思い出、四年の歳月」は、同区の飲食店「春巻スタンド ラップ&ロール」で開催した。新作2作を含む鉛筆画や、園での思い出をアクリル絵の具で表現した作品の計16点に加え、1600枚以上のスケッチも置いた。

 琴塚さんは「虫眼鏡も用意しているのでじっくり見てほしい」と呼び掛け、「『何でこんな模様なんだろう』などと動物への疑問が次々と湧き、一日一日描き続けていたら4年がたった。これからは見えるものだけでなく、動物の存在感や周囲に漂う雰囲気も表現できるようになりたい」。