政府が巨大IT企業の規制に向けて本格的に動き始めた。

 頭文字からGAFAと称される、グーグルやアマゾン・コム、フェイスブック、アップルを念頭に置いている。

 情報技術やネット通販、会員制交流サイト(SNS)などで急成長し、圧倒的なシェアを握っている。

 生活に欠かせない存在になった一方で、個人情報の扱いや税負担のあり方が問題になっている。過去に例のない規模で市場を独占しているだけに、既存の法律や監視体制が追いついていない。

 公正取引委員会や総務省などが中心になって動いている。総合的な対策を早急にまとめる必要がある。

 公取委が問題視しているのは、これらの企業が取引先に対して自らに有利な規約を一方的に押し付けるといった「優越的な地位の乱用」の実態だ。

 例えば、インターネットで商品を売ろうという個人事業者は、巨大IT企業を利用しないわけにはいかないのが現実だ。しかし個別の交渉はできず、IT企業が示した利用規約や手数料に従うしかない。

 公取委は1月に情報提供窓口を設置し、巨大IT企業が提供するサービスでこうした不公正な契約実態がないかの調査を始めた。

 巨大企業の支配力が強すぎて競争が働かなければ、国内中小企業の成長も難しくなる。規制強化は必要だ。

 総務省はプライバシーと個人情報の侵害防止に動いている。

 巨大IT企業は利用者の通信履歴データを大量に収集し、広告などに利用して巨額の利益を上げているが、その実態は不透明だ。フェイスブックなどは情報流出を伏せていたこともあった。

 国内企業は電気通信事業法の「通信の秘密」でメールの内容などを無断で見たり漏らすことを禁じられている。総務省の有識者会議は、この規制を海外に拠点を置く企業にも適用する案をまとめた。

 顧客の個人情報が本人に知らされないまま利用されている現状は改めるべきだ。

 この点では、欧州はすでに厳格な姿勢を強めている。フランスは、グーグルが個人情報収集で利用者に明確な情報を提供しなかった、として約62億円の制裁金支払いを命じた。

 「課税逃れ」対策では英国などが独自課税を打ち出しているが、国際協調も必要だろう。実効性ある対策を打ち出してほしい。