ネオンアートの幻想的な色彩に包まれるミュージアム。中央下段は「LOVE」をかたどった作品(京都市右京区京北塔町)

ネオンアートの幻想的な色彩に包まれるミュージアム。中央下段は「LOVE」をかたどった作品(京都市右京区京北塔町)

念願のネオンアートミュージアムを完成させた安彦さん

念願のネオンアートミュージアムを完成させた安彦さん

タイルや鉄の鎖を組み合わせた「FREEDOM」

タイルや鉄の鎖を組み合わせた「FREEDOM」

 京都市西京区在住のネオンアーティスト安彦哲男さん(64)が、過去30年間で手掛けた作品300点以上を集めたミュージアムを右京区京北塔町に完成させた。繊細で温かみのある発光の彩りが、鉄やタイルなどと融合して醸すネオンアートの奥深い世界を紹介している。

 安彦さんは上京区出身で、大学卒業後、北米に移住。30歳を過ぎて米国のネオン専門学校で技術を学んだ。1989年に帰国後、「歓楽街の看板というイメージが強いネオンだが、アートとしての魅力を日本でも広めたい」と京都を拠点に制作を続けてきた。

 ギャラリーや商業施設での作品展示だけでなく、高台寺塔頭の庭園や公園など野外でも個展を開催。一方で、複数の作品を並べてテーマ性のある空間を創造するため、売り物にはせず「いつか常設のミュージアムを」と構想を温めてきた。

 2018年に京北の田園地帯に土地を購入し、高さ約5・5メートル、広さ約200平方メートルの倉庫を建設。独力で展示スペース兼アトリエに仕上げた。

 南区の旧アトリエから移した作品は450点に上り、うち約300点を展示した。鳥やチョウ、植物を自然色で描く「ネオンの森」や、鉄の鎖を用いて自由と不自由を表現した「FREEDOM」などシリーズ別に紹介する。白と黒のモノクロームの作品群や、書とのコラボで和の雰囲気が漂うコーナーもある。

 大阪市から訪れた舞台音響家西田美奈さん(31)は「発光の繊細さに見とれてしまう。温かみのあるネオンと組み合わせると鉄まで柔らかく浮かび上がるのが不思議」と話す。アーティストの松井智恵美さん(43)=京都市南区=は「こんな空間表現があるのかと刺激をもらった」と語った。

 安彦さんは「テーマは『宇宙を覗(のぞ)く隙間を探す』で、空間そのものを作品として見てもらえる場ができた。ネオンアートの可能性といろんなメッセージを感じてもらえれば」と話している。

 8月1日まで一般向け内覧会を開き、専用サイト(https://coubic.com/neon)で予約を受け付ける。月曜休館。午後1~8時。今秋に開館予定。問い合わせは安彦さん090(8938)4031。