大阪拘置所で取材に応じる筧千佐子被告(イラスト)

大阪拘置所で取材に応じる筧千佐子被告(イラスト)

 京都や大阪、兵庫の男性3人が亡くなった青酸連続殺人事件は29日、筧(かけひ)千佐子被告(74)の死刑判決が確定する見通しとなった。遺族の一人は、被告の上告を棄却した最高裁判決に安堵(あんど)しつつ、「悲しみは永久に続く」と心情を吐露した。判決前に大阪拘置所で京都新聞記者の面会に応じた千佐子被告は、アクリル板の向こうで謝罪の言葉を口にせず、最後まで本心はうかがえなかった。

 「明日『殺します』と言われても、『はい』と言うだけ。嫌だと言ってどうにかなるなら言うけど。もう逃げられないでしょ」。上告審判決を前に、筧千佐子被告は大阪拘置所で取材に応じ、死刑判決を受け入れる覚悟があると述べた。一方で、「(判決に)不満が無いと言ったらうそになる」「反論したいことは山ほどある」とも繰り返した。

 改めて事件の事実関係を確認しようと筧勇夫さんについて聞くと、「覚えていない」「何カ月か一緒に暮らしただけ」と答えを濁した。しかし質問を重ねると、「あやめたよ」と殺害を認め、これまでの公判通り「ほかの女には何千万円もあげるのに、私には10万円も、1万円もくれない。差別された」と動機を語った。ただ、ほかの被害者3人については「覚えていない」と曖昧な答えに終始した。

 質問にはよどみなく答えるものの、同じ話を繰り返したり、会うたびに違うことを言ってみたりと認知症の影響を感じさせる場面も多く、本心をうかがい知るのは難しく思えた。

 面会を重ねても自ら語ることのなかった被害者らへの謝罪の気持ち。別れ際に尋ねると、「それは無いといったらうそになる。でも謝罪させてと言っても、誰も聞いてくれない。そんなきれい事、言わないで」。最後まで口にすることはなかった。