京都市立小の体育の授業でハードル走の練習をする児童。多くはマスクを外していたが、着け続ける子もいた

京都市立小の体育の授業でハードル走の練習をする児童。多くはマスクを外していたが、着け続ける子もいた

 「中学生の娘がマスクを着けたまま持久走をし、『倒れそうだった』と言っていた。各学校がマスクについてどう指導しているか知りたい」との意見が京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた。取材すると、多くの学校は夏場を迎え、体育の授業中は外すよう指導しているが、新型コロナウイルスの感染への不安から着けたままにする子もおり、教員が対応に苦慮している実情も分かった。

 意見を寄せたのは京都市の私立中3年女子の母親。話を聞くと、生徒は6月上旬、体育館で体育の5分間走をした際、マスクに関して教員から明確な指示がなかったため、着けたまま走ったところ息苦しくなり、こっそりとずらして完走したという。

 母親は「子どもは『しんどくなったら外していいよ』と言われても自分で判断するのは難しい。細かく指示するか、感染者が多い時期は有酸素運動でない種目に替えるなどすべきでは」と疑問を呈した。

 学校でのマスク着用を巡っては、2月に大阪府高槻市で小学5年生が持久走中に亡くなり、マスクをしていた可能性がある。文部科学省は各自治体に対して「運動時は身体へのリスクを考慮し、マスクの着用は必要ない」との通知を発出。激しい運動時や気温・湿度が高い日には「十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症などの健康被害が発生するリスクがあるため感染症対策を講じた上でマスクを外すこと」と明記した。

 一方で軽度な運動をする際に児童生徒が希望する場合は「マスクの着用を否定するものではない」とも言及した。京都市教委など各自治体は通知に沿った指導を各学校に求めている。

 では実際、学校現場はどうなっているのか。

 「走る時はマスクを外していいよ」。6月下旬、ある京都市立小のグラウンド。4年生の体育の授業を訪ねると、ハードル走の練習前に教員が児童たちに説明していた。この日は日差しが照りつけ、最高気温は30度超。児童たちは休憩しながらレーンを走った。

 マスクは多くの児童が外していたが、3分の1程は走る時だけ取っていた。着けたまま走る子もおり、教員が「取らないと息苦しくなるよ」と声を掛けていた。ある男子児童(9)は「体育では熱中症が怖いから外す」と話したが、別の男子児童(9)は「お母さんから体育の時も着けた方がいいと言われたのでなるべく着けているけど息苦しいと外す」と明かした。

 校長によると、運動中も感染不安からマスクを着け続ける児童がいるといい、「無理やり外させることもできず、対応が難しい」と打ち明ける。

 そこで6月上旬から「体育の時は熱中症予防のためにマスクをはずそう!」などとイラスト付きで記したパネルを校内数カ所に掲示。その後、体育の時にマスクを着ける児童は減ってきたという。

 ある教員は「普段は『鼻まで掛かっていない』などとマスクをきちんと着ける指導をしているのに、急に外すように言っても子どもたちが戸惑うのも当然。普段は感染が、体育の時は熱中症が心配なのだと分かりやすく伝えていきたい」と語った。