京都大原学院で行われた放蝶会で紫色の羽を広げるオオムラサキのオス。しばらく児童の指にとどまってから空に舞った(6月26日、京都市左京区大原)

京都大原学院で行われた放蝶会で紫色の羽を広げるオオムラサキのオス。しばらく児童の指にとどまってから空に舞った(6月26日、京都市左京区大原)

エノキの木を覆った飼育網室内でオオムラサキの世話をする守る会のメンバー(6月28日)

エノキの木を覆った飼育網室内でオオムラサキの世話をする守る会のメンバー(6月28日)

網室内で育つオオムラサキの幼虫(6月26日)

網室内で育つオオムラサキの幼虫(6月26日)

高野川沿いに植樹され、成長したクヌギの木々(6月26日)

高野川沿いに植樹され、成長したクヌギの木々(6月26日)

 日本の国蝶で、環境省の準絶滅危惧種に指定されているオオムラサキ。京都市左京区大原で地域ぐるみの保護活動が続けられ、今年で15年を迎えた。6月26日には放蝶会が行われ、35匹が大空に舞った。

 オオムラサキはタテハチョウ科の大型チョウ。幼虫はエノキの葉を食べ、成虫はクヌギなどの樹液を吸う。こうした樹木が茂る雑木林が各地で失われ、全国的に激減している。

 2005年に大原小(現京都大原学院)の児童が道でチョウの羽を拾ったのがきっかけで調査が行われ、06年に地域の団体「大原里づくりトライアングル」が学校と連携し、保護活動を始めた。子どもたちが冬にエノキの落ち葉の中から幼虫を探し、愛好家らでつくる「大原のオオムラサキを守る会」のメンバーが飼育。07年には初めて放蝶会を行った。09年には高野川沿いにクヌギ90本を植樹し、生息環境を整えてきた。学校近くのエノキを囲った飼育網室で幼虫を育て、今年は約150匹が羽化する見込みだ。

 放蝶会は新型コロナウイルスの影響で昨年は中止となり、2年ぶりに開催した。児童生徒や関係者ら約60人が参加。幼虫やさなぎを観察した後、校庭で35匹のチョウを放った。

 守る会の藤野適宏代表(74)=宇治市=は「オオムラサキが広く集落に飛び交うことを願い、今後も活動を続けたい」と話す。同学院9年の松岡朋来さん(15)は「活動が長年続いているのはすごい。大原を訪れる人にもオオムラサキがいることを知ってもらい、保護につながれば」と期待を込めた。