2016年1月、欧州で修業を続ける佐渡一毅(36)のスマートフォンに、母のゆた子から着信があった。普段かけてこないだけに、嫌な予感がした。「また、抗がん剤治療をしないといけない」。いつもは明るい母の声が弱々しかった。4年以上、病と付き合ってきた。夏が過ぎると抗がん剤も効かなくなった。