私立中学の受験では女子の最低合格点が男子より高いケースがある

私立中学の受験では女子の最低合格点が男子より高いケースがある

 「一部の私立中入試で、共学なのに女子の合格最低点が男子よりかなり高いことに不公平を感じる。関西私学の入試事情を調べてほしい」。娘が中学受験を控えている京都市内の40代の母親から、京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に意見が寄せられた。各校の状況を調べると、女子の募集を男子より少なく設定していることが合格ラインの男女差を生んでいた。

 「共学をうたう学校なら、ジェンダー平等の時代に合わせていく努力が求められるのでは。『私学だから』と納得するしかないのでしょうか?」。この母親は疑問を投げ掛ける。娘は女子の入学が男子より難関になっている私立中を受験予定だ。自身は仕事と育児の両立や職場での性差の問題に悩みながらフルタイムで働いてきたといい、「娘たちの世代でも女性に不利な条件を突きつけられるなんて」と声を落とす。

 京都をはじめ関西私学の受験事情を調べた。一部の共学中では女子の募集が男子よりかなり少なく、その結果、女子の合格最低点が男子に比べてつり上がり、大手進学塾の偏差値ランキングでは女子が男子に比べて3~5ポイントも高くなっていた。「女子の灘中」と全国有数の難関男子校になぞらえられる学校もある。

 なぜ女子には狭き門となっているのか。取材を進めると、いずれも有名大や医学部への進学実績で知られる元男子校という共通点が浮かび上がった。

 京都の女子の学力上位層が狙う主な共学私立中では、女子の募集人数が少なく男子より狭き門となっている。その理由や背景を探ると、男子校をルーツとする学校側の事情に加え、女子教育のニーズの変化と受験競争が複雑に絡み合う実態が見えてきた。

 京都周辺で人気の洛南高付属中(京都市南区)、高槻中(大阪府)、西大和学園中(奈良県)はいずれも女子の募集を男子より少なくしている。洛南高付属は女子が男子の3分の1、高槻は2分の1、西大和学園は4分の1だ。

■合格ライン40点差

 その結果、女子の合格最低点がつり上がり、今年の入試では、洛南高付属は400点満点で女子の合格最低点が男子より40点も高く、西大和学園も500点満点で女子が18点高い。両校とも女子は、大手進学塾の偏差値ランキングで最難関校の灘中に接近している。