滋賀県甲良町役場

滋賀県甲良町役場

 滋賀県甲良町が、自身の降任処分の理由を知るため個人情報の開示請求をした50代の元職員女性に対し、付属機関の審査会から「開示すべき」との答申を受けていながら、約1年間、開示していなかったことが1日、分かった。


 女性によると、自身の処分を巡り、2018年7~9月に計3回開かれた分限懲戒審査委員会の議事録などについて、同10月、町に開示請求。町が存否応答拒否決定をしたため、女性は行政不服審査法に基づき、町に決定の取り消しを申し立てた。町は、有識者らによる情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、審査会は19年3月、「一部を除き開示すべき」と答申した。


 女性はその後、町に再三状況を問い合わせたが担当者から明確な回答はなく、昨年3月になり、開示を決めた町長の裁決書と開示文書が郵送で届いた。文書では、分限懲戒審査委員会の初回と2回目の議事録の一部が重複し、欠落していた部分もあったという。


 女性は、申し立てに対する速やかな裁決を求める町個人情報保護条例に違反すると指摘。精神的苦痛を受けたとして昨年10月、町に約100万円を求める賠償請求訴訟を大津地裁に起こし、係争中。「放置された理由を明らかにしたい」としている。


 町総務課は取材に「一切答えられない」としている。


 地方行政に詳しい同志社大の真山達志教授(行政学)は「審査会の答申に拘束力はないが速やかに従うのが一般的。議事録などの開示に膨大な事務作業が必要とは考えられず、開示を引き延ばしたのは適切な態度とはいえない」と指摘する。


 女性は17年3月まで税務課参事(課長級)で、町議への対応に苦慮し体調を崩して休職。18年1月に復職したが議会を欠席したため、同年11月に課長補佐級への降任分限処分を受け、19年4月に依願退職した。女性は町に処分の取り消しなども求め、同地裁に提訴している。