「原則、無観客」と大会の方針を記す京都府中学校体育連盟のガイドライン

「原則、無観客」と大会の方針を記す京都府中学校体育連盟のガイドライン

 「東京五輪は観客が入れて、なぜ子どもの部活動の大会は無観客?」。そんな声が京都府内の中高生の保護者2人から京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に相次いで寄せられた。保護者2人の子どもは中3と高3で、ともに「最後の大会を見られず悲しい」と訴える。保護者が参加できない理由を調べた。

■親「最後は観戦したかった」 子「来てほしかった」

 「納得いかない」。乙訓地域の公立中3年女子の父親(49)が語った。体育会系の部に所属する娘は7月下旬の大会で引退する。しかし学校から「保護者の観戦はお控えください」と連絡があった。父親は「最後は観戦したかった。同じ時期の五輪は有観客で、地域の大会がなぜ無観客なのか。どうしても比較してしまう」と不満を募らせた。

 もう1人は京都市内の私立高3年女子の母親(46)。娘は音楽系の部活動の府代表として全国高校総合文化祭(和歌山県、31日~8月6日)に出場予定だが、保護者は参加不可とされた。母親は「娘も『来てほしかった』と言っていた。子どもばかり犠牲になって…」と悔しさをあらわにした。

 各大会の主催者に無観客の理由を聞いた。

■「部活は安全な開催を最優先にするため」強調

 「苦渋の決断です」。乙訓地方中学校体育連盟の密谷由紀会長(西ノ岡中校長)は、夏の乙訓地方体育大会の無観客開催についてこう語った。「乙訓地域は昨年は3年生だけで大会を行ったが、今年は下級生も含めて大会を開くため、安全を考えて無観客にした」と理解を求めた。

 地方大会を勝ち上がった生徒が出場する府大会は昨夏は中止だったが、今夏は開催する代わりに「原則、無観客」に。府中学校体育連盟は「部活動は教育活動の一環で、安全な開催を最優先にするため」とする。

 全国高校総合文化祭は、22部門のうち合唱、吹奏楽、日本音楽、将棋など9部門が保護者観覧を不可とした。事務局は「舞台発表後も生徒が観覧を続ける部門などは生徒だけで人数が増えるので、保護者まで入れられない」と説明。「前年はインターネット開催。今回は全国から生徒が集まる中、安全に開催することが大事」と強調した。

 いずれの大会も中止や規模縮小を余儀なくされた昨年から一転、今年は多くの生徒が参加できる大会にしようと模索した結果、保護者の参加制限を決めていた。

■保護者はそれでも納得できない

 それでも、意見を寄せた保護者は「間隔を空けたり、入れ替わりで見たりして工夫すればいいのでは」と不満顔。「五輪も無観客なら納得もするが…」とやり切れない様子だった。