海外への留学を控え、新型コロナウイルスワクチンを受ける学生(6月25日午後、京都市右京区・京都先端科学大)

海外への留学を控え、新型コロナウイルスワクチンを受ける学生(6月25日午後、京都市右京区・京都先端科学大)

 新型コロナウイルスの感染拡大が長期化するなか、今秋までに海外留学を予定する学生のワクチン接種を支援する取り組みが京都府内の大学など全国で広がっている。学位取得などのための留学予定者が文部科学省に申請すれば、ワクチンを早期に受けられる大学の接種会場を紹介してくれる仕組みで、同省は「ワクチンが受けられないために貴重なチャンスが失われないようにしたい」と、国外での学びを後押しする。

 6月25日、京都先端科学大(京都市右京区)のワクチン接種会場。同大学の職員らに交じって他大学などの留学予定者が列に並んだ。「やっと米国の学生に会える」。京都大大学院を休学し、昨年9月からカリフォルニア大ロサンゼルス校のオンライン講義を受講する男性(25)はほっとした表情で語った。

 男性は当初、現地に渡航し同校へ通う予定だった。しかし新型コロナの影響で、同校の講義は全面オンラインに。男性は国内から同校の講義を受けることを選んだ。専攻は建築デザイン。現地の教員や学生とパソコンの画面上で建物模型のグラフィックについて議論した。オンライン講義の良さはあったが、実際に模型の構造を見て話し合いたいとの思いは残った。

 今年の春になって、同校から対面講義を9月から拡大すると告げられた。ただ現地での受講にはワクチン接種が必要だった。日本で接種を受けたいと考えたが、京大の学生への接種スケジュールは不透明。そんな中、留学生の接種を支援する仕組みを知った。同省に申請すると京都先端科学大での接種を紹介された。

 「オンラインより対面の方が議論しやすい。勉強は進むと思う。早く渡米したい」。男性は約2年間、米国で暮らし、修士号を取得する予定だ。

 会場には、3月に府内の高校を卒業したばかりの女性(18)の姿もあった。9月からは米国の大学に通う。「米国に行けるのか、現地は安全なのか。不安だった」と明かす。ワクチン接種の枠組みは母親に教えてもらった。「安全に講義を受けるには自分も打った方がいい。米国に行く楽しみの方が増えてきた」と笑顔を見せた。

 京都先端科学大での留学予定者への接種は7日段階で13人。受け付けは終了したが、担当者は「留学したくて困っているならば、他大学の学生でも協力したいと考えた」と話す。

 同省は学位取得のために渡航を予定し留学先の求めでワクチン接種が必要な学生らは2千人以上と推測する。詳細は同省のホームページから。