「少し前までは、このあたり一面に咲いていたのよ。それがいつの間にか、こんなに少なくなって」。日本海の水平線が見渡せる京丹後市久美浜町の箱石浜の丘で、夕暮れの潮風に揺れる黄色いユウスゲの花に手を差し伸べ、いとおしそうに見つめる。安達和佳子さん(71)=京丹後市網野町。「スナビキソウやハマヒルガオ…。これらの植物は、丹後の海岸の自然が保たれているかどうかのバロメーターなんです」と話す。

 「夕日ケ浦」の名で知られる観光地・京丹後市網野町浜詰の老舗旅館経営の傍ら、在来植物の保護活動に取り組む。安達さんによると、浜詰の海岸一帯にはかつてハマヒルガオの群生地があったが、海岸の漂着物を処分する重機が砂浜を掘り返したために、ほぼ絶滅したという。

 黒っぽく変色した砂が入ったバケツを手に「砂浜に流れこんだ排水を重機がかき回したことで、砂浜の汚れがひどくなった。海岸一帯は年々、在来の植物が住みにくい環境になって……