安倍晋三首相と面会後、報道陣の質問に答える谷垣氏(2018年10月31日、東京都千代田区・首相官邸)

安倍晋三首相と面会後、報道陣の質問に答える谷垣氏(2018年10月31日、東京都千代田区・首相官邸)

 自転車事故後、初めて京都新聞のインタビューに応じた自民党の谷垣禎一前幹事長(74)。平成が終わろうとしている現在、変化に直面する社会の中で政治家に求められる視点や、支えとなった京都の有権者への思いを語った。

 -政治家人生の大半は平成の30年間と重なる。時代の変化をどう感じるか。

 冷戦の枠組みが崩壊する中で、勝ったと思われていた西側の信念が現在は揺らいでいる。トランプ大統領が誕生し、自由貿易体制や、法の支配の「本尊」である米国がおかしくなっている。EU(欧州連合)の行方は不透明で、東アジアの平和を築く上でもこれまでと異なる問題が提起されている。

 -人口減少など顕在化している課題に、政治家はどう向き合うべきか。

 日本にとって長年、先進国は欧米で、そこでつくられた政策や理論をいかに応用するかが課題だった。しかし近年の急速な高齢化や社会保障負担の増加、過疎化対策などは欧米に聞けば解決できる問題ではない。

 一方、友好議連の会長を務めていたクロアチアやルーマニアなどの議員と話していると、労働人口の大国への集中などは、日本の大都市と地方の間で起きている問題と似た要素が多い。政治家はそれぞれが自分の地域で起きている問題をよく見た上で、国際的な課題とも結びつけ、解決策を探る努力をする必要がある。

 -地盤としてきた京都の有権者に対する思いは。

 政治情勢によって逆風を感じたこともあるが、支えてくれる人がいるおかげで政治をやっていくことができた。選挙を繰り返す中で地方議員とも、地名を聞けばどこにどんな人がいるか分かる関係を築けた。支持者の方々の顔を思い浮かべることができるというのは、政治家にとって大切なことだった。

 どこかでお礼をいう機会がほしいし、個人的なことをいえば両親の墓参りもしないといけない。ただ、自分の体調がまだ十分ではなく、新幹線や飛行機での移動には不安が残る。

 -今後、政治とどう関わっていくか。

 京都府北部でも東京の政界でも、若い人たちを育てていく必要がある。年を取っていつまでも同じことを言っているといやがられるが、次の世代に伝えたいこともあるので、自分のできる範囲でそうしたことをやっていきたい。