山極総長から学位記を受け取る総合人間学部の卒業生(26日午前10時8分、京都市左京区・みやこめっせ)

山極総長から学位記を受け取る総合人間学部の卒業生(26日午前10時8分、京都市左京区・みやこめっせ)

 京都大の卒業式が26日、京都市左京区のみやこめっせで行われた。山極寿一総長は式辞で、昨年の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授のノーベル医学・生理学賞受賞や近年の科学技術の進展に触れ、「誰もやったことのない未知の境地を切り開くことこそ、京都大学の誇るべきチャレンジ精神。自分と考えの違う人の意見を聞きながら直面している課題に立ち向かってほしい」と語りかけた。

 会場にはスーツ姿やはかま姿、アニメキャラクターに仮装した卒業生約2900人と保護者らが出席。寮生の退去問題に揺れる学生寮「吉田寮」のオブジェを担いで入場したり、撤去を巡って議論が白熱した「立て看板」を会場前で掲げたりする学生もいた。各学部の代表者に学位記が手渡され、経済学部では62歳の男性が代表して受け取った。

 山極総長は、自身が出席した昨年のノーベル賞授賞式の様子に触れながら本庶氏の業績を紹介。「基礎研究を粘り強く続け、常識を疑うことでブレークスルーを成し遂げた。これはどんな分野にも適用できる基本的な姿勢だ」と述べた。またゲノム編集やiPS細胞(人工多能性幹細胞)、AI(人工知能)など科学技術の進展や頻発する災害、難民問題などを挙げ、新たな人間観や自然観が必要と強調。「先端的な科学に全てを依存するのではなく、人文科学や社会科学的な学知とともに確かな人間観、地球規模で生物多様性や人間社会をとらえる思考方法が不可欠」と力を込めた。