緊急校長会で危機意識の共有を呼び掛ける在田教育長(中央)=京都市下京区・市総合教育センター

緊急校長会で危機意識の共有を呼び掛ける在田教育長(中央)=京都市下京区・市総合教育センター

 京都市内で中学3年の女子生徒が大麻所持の疑いで逮捕された事件を受け、市教育委員会は26日、来年度から薬物乱用防止の取り組みを拡充する方針を明らかにした。子どもの身近に薬物の危機が迫っているとして学校と地域、家庭との連携にも力を入れる。

 市内では昨年10月にも中学生が大麻所持で逮捕された。1年間に中学生2人が大麻所持で逮捕された初めての事態を受け、在田正秀教育長は26日に下京区の市総合教育センターで開いた緊急校長会で「極めて深刻に受け止めている」と強い危機意識を示した。

 市教委によると、今回逮捕された生徒は昨年の夏休み明けから学校を休みがちになったが、目立った問題行動はなかったという。インターネットを通じて大麻を購入し、自宅で所持していたことから生徒指導課の井上浩史課長は「学校から見えにくいところで発覚した。どの子にも薬物が身近に迫っており、学校、地域、家庭が連携して対応しないといけないことを示す象徴的な事案となった」と強調した。

 このため、市教委は同日、子どもや保護者、地域、教職員に薬物乱用防止に向けて一致団結して取り組もうと呼び掛ける「緊急メッセージ」を市PTA連絡協議会などと発出した。

 来年度は、各学校で実施している薬物乱用防止教室の内容を充実させる。外部講師を招き、薬物が心身に及ぼす影響だけでなく、使用を誘われた時の断り方や相談方法なども教える。子どもの発達段階に応じた薬物乱用防止の指導計画も作成する。

 京都府警によると、府内で覚醒剤などの薬物の乱用で摘発、補導された少年のうち、大麻乱用者の割合は増加傾向にあるという。府警担当者は「大麻は合法化されている国もあり安全、などという間違った認識が広まっている」と指摘し、正しい知識の普及、啓発が必要としている。