箱から放たれ、羽ばたくコウノトリ(京丹後市久美浜町)

箱から放たれ、羽ばたくコウノトリ(京丹後市久美浜町)

 今春、親鳥の雌を失い、雄に育てられているところを保護された国の特別天然記念物・コウノトリのひな2羽が、「里親」にあたる別の親鳥に育てられた後、京丹後市久美浜町内で放鳥された。2羽は力強く大空を舞い、自然の中へと飛び立った。

 2羽は4月中旬、久美浜町市場の人工巣塔で市教育委員会の職員が誕生を確認した。その後、雌の親鳥が農業用の防除ネットに絡まって死んでいるのが発見された。残された雄の親鳥がひなを育てているのを住民が見かけ、市教委と兵庫県立コウノトリの郷公園(兵庫県豊岡市)が連絡、ひなを保護した。

 保護された時に体重約2・2キロだった2羽は、公園内で里親になるコウノトリのペアに育てられ、雌は同4・75キロ、雄は同4・6キロまでに成長した。

 2羽は16日に同公園から、誕生した久美浜町の人工巣塔近くの休耕田に運ばれた。箱から出た2羽は、周辺をうかがうかのような様子を見せた後、すぐに大きく成長した翼を力強く羽ばたかせて飛び立った。同公園によると、「里親」に育てられたコウノトリの放鳥は国内初という。

 2羽を観察してきた近くの農業男性(86)は「大きくなって、無事に放鳥できてありがたい。元気に育ってほしい」と空を舞う姿を見つめた。