滋賀県長浜市の量販店で2017年4月に女児と母親が刃物で刺され重傷を負った事件で、被害に遭った母娘が、加害者の女やその当時の主治医らに対し、後遺障害による逸失利益や慰謝料など計約4200万円の損害賠償を求める訴えを28日にも大津地裁長浜支部に起こすことが26日、分かった。

 原告側弁護士によると、主治医に対しては事件前に適切な治療を受けさせないまま女を退院させたほか、再入院させる措置を怠った過失があるとして、連帯責任を問う。他の被告は、主治医が勤務する長浜赤十字病院(同市)の病院長と、病院を運営する日本赤十字社(東京)で、共同不法行為に当たると主張する。

 訴状などによると、女は16年11月に刃物を用いた問題行動を起こして入院。治療の一環で投与されていた薬剤への依存が続いていたが、主治医は治癒しないまま17年1月に退院させた。女が退院後も薬剤を大量に服用したり、事件直前の4月には数日おきに緊急受診して薬剤注射を要求したりしていたにも関わらず、主治医は精神保健福祉法に基づく再入院などの措置を取らなかった、としている。

 女は刑事裁判で殺人未遂などの罪に問われ、懲役11年を言い渡した大津地裁判決が確定。確定判決によると、17年4月16日午後8時25分ごろ、長浜市の量販店で、女児=当時(7)=の腹部を果物ナイフで突き刺し、助けようとした母親の下腹部にも刺して2人を殺害しようとした。弁護側は公判で、精神障害の影響などを主張したが、地裁は完全責任能力を認定した。