木村議員が代表を務める政治団体が提出した、領収書がない支出の一覧

木村議員が代表を務める政治団体が提出した、領収書がない支出の一覧

 政治資金の使途を明らかにするため政治資金収支報告書への添付や保存が義務付けられている領収書の扱いについて、市民団体から疑問の声が上がっている。政治団体が「なくした」「もらわなかった」と申告すれば、選挙管理委員会などの審査を通ってしまう制度になっているからだ。昨年公表された収支報告書では、京都の国会議員の団体が約50件の領収書を「ない」としていた。過去にも複数の国会議員で紛失事例があり、専門家は「不正な支出の隠れみのになりかねない」と改善を訴えている。

 自民党の木村弥生衆院議員(比例近畿)が代表の「自民党京都府第三選挙区支部」と資金管理団体「木村弥生後援会」の収支報告書に併せて提出された一覧表によると、2017年に支出した53件で計56万819円分の領収書をなくすなどした、としていた。

 一覧表には、カメラ店への「写真代」5件計9万6071円▽NPO法人への「クッキー代」10万2600円▽弁当店への「お弁当代」6万4310円-といった支出のほかに飲食代や会費などが記載されていた。

 木村氏の事務所は取材に対して文書で、「領収書については、再発行をお願いしている」とのみ答え、領収書がない理由や、一覧表に記載した内容を裏付ける根拠については回答しなかった。

 政治資金規正法は、国会議員関係の政治団体については全支出に領収書の保存を義務付けている。違反した場合は禁錮や罰金の罰則があるが、適用は故意や重過失の場合だけでハードルは高いのが実情だ。

 報告書を受け付けるのは国や都道府県の選挙管理委員会だが、明らかな書類上の不備を指摘する「形式審査」にとどまる。京都府選管は「選管には調査権限はないので、実際に支払いがあったかなどの確認は不可能」とし、総務省政治資金課は「紛失などの状況も公開し、国民の判断に委ねている」とする。

 近年では、15年分の収支報告書で自民党の下村博文元文部科学相の関係2団体が計約232万円分をなくしたなどと報告している。16年には当時の民進党宮城2区総支部で、民主党時代だった12年分の計約57万円分の領収書紛失が分かった。

 政治資金オンブズマン共同代表の阪口徳雄弁護士は「1、2枚なら過失でなくなることはあり得るが、大量の場合は仮に適正な支出であったとしても故意を疑われても仕方がない。領収書がないと言えば不正な支出を隠すことができる余地があり、制度上の大きな欠陥だ」と話している。