わずか5カ月間に、同型旅客機の墜落が相次いだ。憂慮すべき事態である。

 今月10日、エチオピアの首都アディスアベバから隣国ケニアに向かったエチオピア航空の旅客機が墜落、乗客乗員157人全員が死亡したと発表された。

 墜落したのは、米ボーイング社製の最新鋭小型旅客機「737MAX8」である。昨年10月にも同型機がインドネシアのジャカルタ沖に墜落し、乗っていた189人全員が亡くなったばかりだ。

 機体に不具合が生じた、とみてよい。各国の関係機関は、原因究明に向けて全力を注がなくてはならない。

 事故後、インドネシアはじめ中国、欧州、米国などの航空当局が、同型機の運航停止を命じ、日本の国土交通省は国内への乗り入れを停止した。

 事故調査の結果公表を、待たなくともよいだろう。これ以上、事故を繰り返してはならず、妥当な判断だ。

 エチオピア機のフライトレコーダー(飛行記録装置)などを分析した結果、すでにインドネシアでの墜落と「明白な類似点がある」とされている。

 737MAXシリーズは、これまでの737よりエンジンが大きく、位置も異なり、機首が上がりやすくなっている。このため、飛行中に機首が上がりすぎて失速しないよう、新たに自動失速防止装置が導入された。

 インドネシアの事故では、墜落直前にこの装置が作動して機首が下がり、操縦士が手動で機体を立て直そうとしていたことが、判明している。

 エチオピア機でも同様の事態が生じたのなら、先の事故が残した教訓を、まったく生かせなかったことになる。

 ボーイング社や米国連邦航空局(FAA)の対応にも、問題がありそうだ。

 ボーイング社は、自動失速防止装置のソフトを昨年末までに修正するはずだったが、実施していないと指摘された。

 FAAによる安全性審査の段階で、この装置に不具合が起きても、大事故にはつながらないと主張し、操縦士に研修を義務付けなかった。

 ボーイング社が、ライバルの欧州エアバス社などと、激しい受注競争を繰り広げていることも、背景にあるといわれている。

 設計の不備だけでなく、安全審査に問題がなかったか。今後、厳正に検証する必要がある。