滋賀県内の飲食店が、琵琶湖をイメージした青色の食事やスイーツを「びわ湖ブルー」と銘打って提供している。新型コロナウイルス禍で苦境が続く飲食店が集まり、県内の新名物として起死回生を狙う。「食欲が減退する」とも言われる青色を使った食べ物。果たして人々の反応やいかに?

 さわやかな香辛料の香りが部屋の中いっぱいに広がる。長浜市の人気観光地、黒壁スクエアのカフェ「黒壁十八號館 96CAFÉ」で提供される「BIWAKO黒カレー」(千円)。黒いカレーに浮かぶのは数種類の野菜と、ひときわ目を引く真っ青なご飯だ。

青いご飯で琵琶湖、黒いカレールーで黒壁を表現した(長浜市元浜町・黒壁十八號館96CAFÉ)

 「青いご飯なんて怖いかなと思って、当初はお客さんに受け入れられるか心配でした」と、店長の中嶋幸月さん(47)。東南アジア原産のマメ科植物「バタフライピー」を使って青く炊きあげたご飯に、こくのあるイカ墨カレーをたっぷり掛ける。3年前に期間限定で販売すると、会員制交流サイト(SNS)などで話題が沸騰。定番メニューに仲間入りしたという。

 バタフライピーには強い味やくせがなく、幅広い料理に応用が利く。合成着色料と比べて天然由来で健康にもよい。欧米では当たり前に食される青色だが、日本ではなじみがないため、一般に食欲が減退するとされている。

 びわ湖ブルー商品を県内に広げる甲賀市の照明器具製造販売「ツジコー」の辻昭久社長(64)は「見た目にインパクトがあり、味もよければ人気が出るはず。食欲減退については気にしていない」と話す。

 同社の独自技術で粉末にしたバタフライピーを知人の飲食店などに配り、商品開発を依頼。「コロナで沈む地域経済の盛り上げにつながれば」。今年3月から本格的に始動し、協賛は県内31社にまで広がった。

 彦根市の平和堂日夏店内にあるたこ料理専門店「ひこね多幸屋」では、青い明石焼き「琵琶湖ボール」(6個480円、要予約)を販売。生地に粉末を混ぜ込み、ふんわりと焼き上げた。店を営む西村繁宏さん(46)は「ただ青いだけでなく、試作を重ねて味にも自信がある。若い世代の客に人気」と胸を張る。

生地にバタフライピーを混ぜた青い明石焼き(彦根市日夏町・ひこね多幸屋平和堂日夏店)

 「最初は半信半疑だったが、口コミで広がりよく売れる。やはりインパクトが強いんでしょう」と話すのは、近江八幡市の洋菓子店「アンデケン」の島田渡社長(51)。ブルーベリージャムを挟んだケーキの表面に、青いチョコレートをかけた「びわ湖ブルー」(1300円)が店頭に並ぶ。

表面に青いチョコレート掛けたケーキ。口コミで広がり、人気商品という(近江八幡市鷹飼町・アンデケン)

 県内ではほかに青いジェラートや焼き菓子、ジュースなどが販売中だ。夏らしい青色の食品。食わず嫌いをせず、ぜひご賞味あれ。

びわ湖ブルージェラート(近江八幡市北津田町・食産耕房)