長かった梅雨が明け、夏本番を迎えた。体がまだ暑さに慣れていないこの時季は、熱中症に特に警戒が必要だ。

 総務省消防庁によると、今月12~18日に全国で4510人が救急搬送された。多くが梅雨明け前だった昨年同期の約4倍に上った。

 気候変動の影響か「酷暑」化が進み、死者数は昨年まで3年連続で千人超となっている。

 事態の深刻化を踏まえ、環境省と気象庁は今年から、熱中症の危険度が高まっていることを知らせる「熱中症警戒アラート」の運用を全国で始めた。

 気温や湿度、地表からの放射熱などから算出する「暑さ指数」を基に前日夕、または当日早朝に発表する。各メディアのニュースや環境省のメール配信などで知ることができる。

 京滋でも既に複数回出されており、運動や外出の自粛、水分のこまめな補給などの対策に役立てたい。

 昨夏に続き、新型コロナウイルスの感染予防との両立にも注意が必要だ。

 マスクを着用していると、のどの渇きを感じにくくなり、脱水が進んでしまうなどの危険性を伴う。国は、屋外で人と2メートル以上離れているときは、マスクを外すよう呼び掛けている。体調の変化に留意して臨機応変に対応することが求められる。

 消防庁によると、昨夏に熱中症で搬送された人の約4割は自宅での発症だった。コロナ禍で在宅時間が増えており、屋内だからといって油断はできない。

 特に高齢者は暑さを感じにくく、対応が遅れがちになる。エアコンは自宅で熱中症を防ぐ最も効果的な手段であり、換気に気を配りながらうまく活用することが重要だ。飲み物をあらかじめ用意しておくなど周囲が積極的に声掛けをしてほしい。

 頭痛や高体温、だるさなどを伴う熱中症への対処の基本は、水分、ミネラルの補給と、エアコンや保冷剤などで体を冷やすことだとされる。ただ、症状はコロナ感染症や風邪とも共通しており、区別がつきにくいこともあるという。

 専門家は、風邪薬や解熱剤を飲んで静養しても症状が治まらない場合は、医療機関の受診を勧めている。

 熱中症での救急搬送が増えると、コロナ対応に当たる医療現場にも影響を及ぼしかねない。警戒アラートなどの情報活用と正しい知識で熱中症予防に努めたい。