VリーグのJTで主力として活躍し、2連覇に貢献した林(2月14日、ベイコム総合体育館)

VリーグのJTで主力として活躍し、2連覇に貢献した林(2月14日、ベイコム総合体育館)

 バレーボール女子で京都生まれの21歳、林琴奈(JT)が、初の五輪に臨む。身長173センチとアタッカーとしては小柄ながら、高い守備力でチームに貢献。控えめな中に負けず嫌いな一面を持ち「自分の役割を徹底する」とチームへの貢献を誓う。

 京都市山科区などが拠点のクラブ「和(なぎ)VBC」で小学2年から競技を始めた。大阪の強豪・金蘭会中に通い、3年時に全国制覇。金蘭会高では3年で攻守の要としてチームを全日本高校選手権優勝に導いた。

 順調な歩みのようだが、家族の前では弱気な姿も見せた。母朋子さんは「小学生の時、試合が嫌で布団から出てこなかったことも」と苦笑する。だが、悔しさをばねにいつもコートに戻った。中学2年の全国大会決勝で敗れた際は珍しく「来年は絶対勝ちたい」と宣言し有言実行。高校でも主将の重圧に悩みながら悲願を達成した。

 VリーグのJTでは、1年目につらい出来事があった。2019年3月のリーグ準決勝で惜敗。試合終了直後、がんで闘病中だった父・康雄さんが4日前に亡くなっていたことを知った。大一番に集中させようと、家族は林に伝えず葬儀を延期していた。生前は毎晩、娘の試合の録画を見るほど活躍を喜んでいたという。「五輪でメダルを取るところを届けられるといいな」と、亡き父を思う。

 20年から代表入りし、今年5、6月の国際試合では「守備のつなぎのプレーで本当にミスが少ない。ピンチサーバーとしても安定した力を発揮した」と中田久美監督は話す。「ディフェンス面で中心になりたい。途中出場が多くなると思うが、自分の役割を徹底したい」と言葉に力を込め、林は初舞台に挑む。