「夢の大橋」に設置された聖火台(東京都江東区)

「夢の大橋」に設置された聖火台(東京都江東区)

 「思ったよりコンパクトですね」。隣にいた知り合いの他社の記者と顔を見合わせた。

 開会式翌日の24日、東京・有明の「夢の大橋」に移された聖火台の撮影会に参加した。開会式で使用した「太陽」をモチーフにしたデザインと形状は同じだが、大きさは3分の1(直径約1・2メートル)と小ぶりだ。

 周囲は立ち入りが制限され、柵で囲われている。大会組織委員会は観覧自粛を呼び掛けているが、連休中でもあり、記念撮影をする人の姿が見られた。

 聖火には今回、長時間燃焼に適した液体水素が用いられている。夜間は係員や警察官が交代で「寝ずの番」に立つ。「火が絶対に消えることはない?」と意地悪な質問をしてみたら、組織委の職員は「よっぽどの暴風雨だと消える可能性もありますが…」と苦笑い。万一に備え、予備も用意しているという。

 新国立競技場は常設の聖火台がなく、式典用のものは格納されている。前回のリオデジャネイロ五輪でも同様に、臨海部に聖火台が設けられていた。その期間、私は現地に滞在していたが、人いきれの中、ぎらぎらしたラテンの情熱的な炎だったと記憶している。

 街の喧噪(けんそう)なく、無観客で行われているコロナ禍の五輪。球体が花のように開いたつつましやかな聖火台は、ぴったりなようにも思える。