鳳凰堂の本尊の胎内で見つかった一部から全体を想定して復元した瓔珞(手前、宇治市宇治・平等院ミュージアム鳳翔館)

鳳凰堂の本尊の胎内で見つかった一部から全体を想定して復元した瓔珞(手前、宇治市宇治・平等院ミュージアム鳳翔館)

美術史の研究や科学的な分析を基に復元した鳳凰堂の扉絵(中央)などが並ぶ会場

美術史の研究や科学的な分析を基に復元した鳳凰堂の扉絵(中央)などが並ぶ会場

 京都府宇治市宇治の平等院にあるミュージアム鳳翔館で、同院に伝わる文化財の「復元」をテーマにした特別展が開かれている。経年劣化が進んだり、断片しか残らなかったりする宝物とともに、美術史の研究や科学的な分析を基にした復元品などを展示し、平安時代に作られた当初の華麗な姿を伝えている。

 鳳凰堂の本尊・阿弥陀如来坐像の裏側、西面扉に描かれた国宝「日想観図」は創建当時の絵画だが、顔料が剥がれて図像がほぼ見えなくなっている。蛍光エックス線による分析や類例の検討から2012年に制作した復元模写では、色鮮やかな青緑の山並みや波立つ海がよみがえった。

 本尊の胎内からは平安時代の納入品が多数見つかり、国宝に指定されている。ガラス玉や金具を鎖でつないだ垂れ飾り「瓔珞(ようらく)」の一部や、澄んだ水色のガラスに金箔(きんぱく)を貼り付けた器のかけらが展示され、調査に基づいて全体を復元した作品と見比べることができる。

 鳳凰堂の屋根に乗る鳳凰像には頭部に毛が植えられていた痕跡があるため、復元品では赤や黄色の糸を付けた。極彩色が目を引く雲中供養菩薩(ぼさつ)像の模刻なども見られる。
 10月8日まで。平等院の拝観料が必要。