京都府議選(4月7日投開票)は29日に告示される。京都府の丹波2市1町が抱える災害や人口減少への対策に府の果たす役割は大きい。直面する課題に対し、亀岡市選挙区(定数2)、南丹市・船井郡選挙区(同1)の候補者は、何を訴えるのか。有権者は注視している。

 丹波は昨年、西日本豪雨や台風21号で大きな被害を受けた。桂川流域は大規模氾濫こそ免れたが、2004年、13年の台風で氾濫しており、水害への不安は大きい。

 桂川の亀岡市、南丹市域は大半を府が管理する。園部川など支川を含めた河川整備率(おおむね時間雨量50ミリに対応する区間)は26%で、府内平均36%より低い。下流の大都市を守るため、豪雨時に水をためる役割を担う形で後回しにされてきたとの指摘もある。

 府は昨年8月、国が京都市流域の治水対策を進めたのを受けて整備計画を策定。日吉ダムから下流の本川は「30年間に1回」、同ダム上流の本川と支川は「5~10年間に1回」程度の豪雨に対応する堤防強化などを進める。ただし、完了目標は30年後。住民には「いつまで京都市民のために犠牲になるのか」との不満は強い。

 南丹市、京丹波町は福井県の高浜、大飯両原発から30キロ圏内にかかる。住民に不安が残る事故時の避難路確保などに実効性ある対策が求められる。

 幹線交通にも課題がある。昨年の豪雨では亀岡・京都両市境の国道9号老ノ坂峠が通行止め、京都縦貫自動車道やJR山陰線もストップした。物流は滞り、医師が出勤できず医療態勢にも影響した。

 渋滞抑制を含めて9号「ダブルルート」構想が浮上している。新ルートは亀岡市南部-京都市西京区(約4キロ)、桂川東側-右京区(約8キロ)の2案あるが、京都市は財政負担に消極的で、財源確保に壁がある。

 南丹市、京丹波町は、人口減少と高齢化が急速に進み、日本創成会議が予想した「消滅可能性都市」に挙げられた。両市町は移住促進を進め、府は「森の京都」事業で観光に活路を見いだす。しかし、南丹市美山町の「かやぶきの里」や、京丹波町の道の駅「京丹波味夢の里」への観光客の集中が顕著で、全域への波及には十分つながっていない。

 亀岡市内では、府が建設中の「京都スタジアム」が来春開業する。府と市で計167億円をつぎ込んだ。府は集客策として、コンピューターゲームで対戦する「eスポーツ」や保津川下りの延伸などに約4億8千万円を投資する。地元活性化に期待がある半面、試合に使うJリーグ京都サンガFCは2部に低迷中で、営業赤字の拡大が懸念される。

 亀岡市選挙区の前回投票率は40・31%と過去最低で、無投票だった南丹市・船井郡選挙区は8年ぶりの選挙となる。有権者の関心を高める政策論争となるよう、候補者の発信力が問われる。