回廊壁画と、壁画を描いた木村さん。大小のハスを、仏教で意味のある36個描いた(近江八幡市宮内町・瑞龍寺)

回廊壁画と、壁画を描いた木村さん。大小のハスを、仏教で意味のある36個描いた(近江八幡市宮内町・瑞龍寺)

整備された中庭と新設した能舞台。15日には雅楽の演奏があった

整備された中庭と新設した能舞台。15日には雅楽の演奏があった

 滋賀県近江八幡市宮内町の瑞龍寺で、新たな門跡(住職)を迎えるのを前に境内の整備が進められている。京都の絵師が回廊壁画を手掛けたほか、能舞台を設置。本堂の外壁や中庭も改修するなど、訪れる人の心が安らぐ空間を整えている。

 同寺は日蓮宗唯一の門跡寺院で、豊臣秀次の菩提寺(ぼだいじ)として建立。門跡は代々尼僧が務めたが、2011年に鷲津日英・第15世門跡が初めて男性門跡に就任した。鷲津門跡が19年に死去後は空席となっていたが、来春に詫間殊光・執事長が就任することが決まった。

 老朽化が進む境内を今春、詫間執事長が自ら整備に乗り出した。京都の絵師で「キーヤン」の愛称で知られる木村英輝さん(79)に回廊壁画を依頼。金色で縁取るなどした色鮮やかなハスの絵(縦2メートル、横16メートル)が生まれた。

 同寺は八幡山の山頂にあり、ロープウエーでのみ行き来できる。業者と寺職員が本堂の外壁や廊下の床板も磨き直し、長年使われていなかった家具や雑貨、がれきなど計5トンを処理。中庭は砂利を敷き、縦6メートル、横4メートルの能舞台も設けた。

 7月15日には能舞台でこけら落としの雅楽演奏が行われた。一新した境内に神秘的な音色が響き、関係者が優雅なひとときを楽しんだ。詫間執事長は「これからも整備を続け、訪れる人が安らいだり、エネルギーをもらえたりするような環境になればうれしい」と話す。

 壁画の完成に合わせ、木村さんの「四季屏風(びょうぶ)展」を10月31日まで開催。要拝観料。