漫画家の瀬口忍さんが描いた柔和な仏の絵(左)を見る三井寺の福家執事長(右端)ら=大津市園城寺町・三井寺事務所

漫画家の瀬口忍さんが描いた柔和な仏の絵(左)を見る三井寺の福家執事長(右端)ら=大津市園城寺町・三井寺事務所

 仏をテーマに巨匠を含めて約60人の漫画家が描いたイラストを鑑賞できる「漫画家による仏の世界展」が29日から、大津市園城寺町の三井寺(園城寺)で始まる。全国各地を巡回しており、滋賀では初開催となる。大津市在住の人気漫画家瀬口忍さん(48)も初めて参加し、書き下ろし作品を出展した。「仏様の優しさを感じてほしい」と語っている。

 瀬口さんは少年漫画「囚人リク」シリーズを週刊誌に8年間連載したことで知られる。昨年秋、同展に携わる旧知のギャラリーオーナーに出展を依頼された。仏を描いた経験はなく迷いもあったが「新しい挑戦。しっかり向き合おう」と考えた。

 瀬口さんが描いたのは、赤ちゃんの顔をした「大日如来さま」(縦51センチ、横36センチ)。緑と青色の宇宙のような空間でほほ笑んでいる。信心深くないという瀬口さんだが、仏に手を合わせた時の穏やかな心情を表現した。「赤ん坊を見ると、誰もがほっこりする。漫画の仕事は時間に追われるので、僕も穏やかになりたくて」と笑った。

 「仏の世界展」は2014年に始まり、京都や宮城などの10府県とポーランドで14回開かれてきた。今回は過去の作品を含め、故手塚治虫さんや故赤塚不二夫さん、浦沢直樹さんら約60人が描いたイラストを、境内の観音堂書院に展示する。

 三井寺執事長の福家俊彦さん(60)は「既存のイメージと異なる多彩な仏さまがいる。笑いでも優しさでも、見る人が自由に感じてもらえれば」と話した。

 29日~5月19日の午前9時~午後4時半。一般500円、小中高生300円(入山料別)。同寺金堂で「囚人リク」の原画や書き下ろしイラストを飾る「瀬口忍展」を同時開催する。