銀メダルを獲得した2017年の世界選手権後に地元彦根に戻り、県高体連関係者と写真に収まる大橋(左から3番目)。同4人目が國重さん=國重さん提供

銀メダルを獲得した2017年の世界選手権後に地元彦根に戻り、県高体連関係者と写真に収まる大橋(左から3番目)。同4人目が國重さん=國重さん提供

 「自分の成長した姿を見てもらいたい」。大会前、故郷にメッセージを発信していた競泳女子の大橋悠依(25)が28日、日本水泳史に残る偉業を成し遂げた。東京五輪で200メートル個人メドレーを制し、2個目の金メダルという快挙に関係者は喜びを爆発。滋賀県が生んだ世界のスイマーに賛辞を贈った。

 彦根東中時代に将来の夢を書いた作文で「オリンピックに出る」と読み上げ、周囲を驚かせた大橋。当時の校長で彦根市スポーツ協会専務理事の木村輝男さん(69)=彦根市=は「何と言っていいか分からないほどすごい。一生の誇りに思う」とたたえる。


 草津東高で担任だった滋賀県職員の藤江隆史さん(48)=彦根市=は「僅差のレースを最後にものにしてくれた。自慢の生徒」と喜ぶ。4年前のえひめ国体は県チームから出場し、2種目優勝で貢献した。当時の国体監督で同高水泳部顧問の國重幸裕さん(44)=草津市=は「今回の五輪を見て水泳を志す小さい子たちが増えるのでは」と語る。大橋の在籍時に水泳部顧問だった福岡恵美子さん(62)=守山市=は「200メートルの苦しいラストでノーブレスで泳ぎ切った。昔から何でも最後までやり抜く生徒で、その姿勢があのノーブレスに凝縮されていた」と感慨深げだった。


 「すごいことをやり遂げた」と話すのは、彦根イトマン時代の大橋を10年間指導した奥谷直史さん(53)=草津市。所長を務める堅田イトマンスポーツクラブ(大津市)でテレビ観戦した。「競ると強いのは分かっていた。単調な練習でも手を抜かない真面目さがあり、積み重ねの集大成と言えるレースだった。滋賀だけでなく全国のスイマーに夢を与えてくれた」


 父の大橋忍さん(62)=彦根市=も「最後までどきどきした」と激戦を振り返る。「メダルならどんな色でもよいと思っていたが、金とは。大それたことをやってくれた。『おめでとう。頑張ったな』と伝えたい」と興奮気味だった。


 滋賀で生まれ育ち、日本水泳界の歴史を塗り替えた大橋。県水泳連盟の沢弘宣理事長(59)=大津市=は「滋賀で水泳をしている子どもたちにとって希望。滋賀でもやれるという自信につながる」と感慨を込めた。