東京都立高の女子トイレの手洗い場に置かれた生理用品(都教育委員会提供)

東京都立高の女子トイレの手洗い場に置かれた生理用品(都教育委員会提供)

生理の貧困の問題を受け、京都市教育委員会が作成した児童生徒向けのお知らせ。生理用品を保健室で配布していると伝えている

生理の貧困の問題を受け、京都市教育委員会が作成した児童生徒向けのお知らせ。生理用品を保健室で配布していると伝えている

 新型コロナウイルスの感染拡大により浮き彫りになった「生理の貧困」。何らかの理由で生理用品の入手が難しいという問題は、子どもたちの学校生活にも影を落としている。

 「生理の貧困」が叫ばれるようになって以降、関東などの一部自治体でナプキンを学校のトイレに置く取り組みが始まった。これまでは保健室で渡していたが、生理であることを申告しなければならない児童生徒の羞恥心に配慮したという。一方、京都新聞社が7月下旬に実施した京都府内全自治体への調査では、府内全ての市町村が保健室での対応を続けていた。

 「誰もがためらわずに生理用品を手に入れられる態勢が大切」「経済的事情で入手できない子どもたちに優先的に届ける必要がある」。取材を進めると、「生理の貧困」に対する教育現場の捉え方はさまざまで、生理用品をどこで配布するかがこの問題に対する教育現場の考えを反映していた。

 京都新聞社は7月下旬、京都府内全25自治体(府、相楽東部広域連合含む)の教育委員会に、小中高校での生理用品の配布状況を尋ねた。府内の学校ではこれまでから児童生徒が保健室に行って必要だと申告すればナプキンを渡してきた。「生理の貧困」が浮き彫りになって以降は関東などで学校のトイレに置く自治体が現れているが、今回の調査では府内の全自治体が、トイレに置くのではなく、従来通り保健室で渡していると回答した。

 京都市はトイレに置かない理由として、主に経済的事情から生理用品を入手できない児童生徒への対策である点を挙げた。「トイレに置くと誰もが使う可能性があり、経済的に苦しいなど本当に必要な児童生徒に十分に届けられなくなる。衛生面や補充する教員の負担の課題もある」とする。

 宇治市や綾部市も同様に「経済的困窮の問題と捉えている」と答えた。両市とも、生理を巡る問題の解決だけを図るのではなく、家庭環境など全体を見てケアする必要があるとの認識を示す。他にも複数の自治体が「養護教諭が生理用品を渡す際に子どもから話を聞いて状況を把握し、支援につなげることが大切」とし、あえて保健室に取りに来させているという。

 学校現場の判断で保健室配布になった自治体もある。大山崎町は6月、生理用品の配布場所として保健室、トイレ、職員室の3カ所を示し、各校に判断を委ねた。すると「性教育ができていない低学年児童への配慮が必要」などの理由から全校が保健室を選んだ。

 「生理用品は現状、トイレットペーパーのように『置かれているのが当たり前』という認識が広がっていない」との見方を示したのは城陽市だ。公費でトイレに備えつけるには全市的な議論が必要と見る。

 ただ、トイレ配備は全国的に広がりつつある。東京都多摩市が3月に始め、栃木県など他の自治体も続き、最近では名古屋市が一部の学校で試行的に実施する方針を示した。

 東京都は都立学校254校で2学期からトイレ配備を始める。これまでは保健室で渡していたが、羞恥心などで保健室に行きづらい子もいることに配慮したという。担当者は「トイレットペーパー同様、いつでもためらいなく入手できることが安心につながる」と強調する。

 こうした動きを受け、京都府内でも保健室での配布を見直す動きが出ている。笠置町、和束町、南山城村でつくる相楽東部広域連合は中学校のトイレに置くことを前向きに検討中で「全国的に同様の動きが広がっているため」と説明する。

 亀岡市は女性職員を中心に生理用品の配布の在り方を検討する全庁的なワーキンググループを7月上旬に設置した。「保健室に行くのがハードルになっている子がいる可能性もある」とし、秋までに意見をまとめる。