新型コロナウイルス感染の急拡大で、京都府など5道府県にまん延防止等重点措置が適用される。

 既に緊急事態宣言下にある東京都と沖縄県に加え、首都圏3県と大阪府にも宣言が出される。

 東京五輪のさなかに宣言、措置が追加される異例の事態である。感染拡大の抑え込みへ、あらゆる手だてを尽くす必要がある。

 京都では7月11日に前回の重点措置が解除された。わずか3週間での逆戻りは、「またか」と感染状況を軽視する動きにつながらないだろうか。

 危機感を強く抱いてもらえるような対策の打ち出し方が必要だ。府民も、感染の厳しい現実をしっかり認識しなくてはならない。

 京都府の新規感染者は、28日に過去最多の175人となった。感染者の大半が50代以下で、ワクチン接種が進んでいない若年層への広がりが際立っている。確保している専用病床の使用率もステージ4(爆発的感染拡大)の水準に迫り、医療逼迫(ひっぱく)の危機にある。

 政府は今回、重点措置地域にある飲食店による酒類提供の要件を厳格化する方針を示した。一定条件下では知事判断で容認してきた現行のやり方から一歩踏み込み、強い姿勢を示したといえる。

 これを受け、京都府は、京都市内の飲食店に対し、さらなる営業時間の短縮と酒類を提供しないよう要請する対策を決めた。

 府民に対し、事態の切迫感を印象づける効果はあろう。

 ただ、府内ではこれまでも、宣言や重点措置が繰り返され、解除された後も時短営業や酒類提供の制限が形を変えながら継続的に求められてきた。

 そうした飲食店に的を絞った対策の効果は、いまだ十分に検証されていない。

 多くの店舗はたび重なる営業活動の自粛で苦境にある。協力金の遅れなどで営業自粛の徹底が難しくなっている。

 府は、感染対策に取り組む店舗を認証する制度を始めている。国が示す基準などを踏まえ、安全性を強調できるようにする狙いだ。

 京都市などの料亭の有志らも、科学的知見に基づいた客室利用数の制限や換気の目安など独自の衛生認証基準を作成した。認証取得を目指す店舗を募るという。

 一律の時短・休業から、よりきめ細かな感染対策への深化を進めるべきだ。

 厳しい対策が先の展望につながるよう、政府や自治体の納得できる説明も欠かせない。