男子BMXフリースタイル・パーク決勝 トリックを決める中村輪夢。5位に終わった=有明アーバンスポーツパーク

男子BMXフリースタイル・パーク決勝 トリックを決める中村輪夢。5位に終わった=有明アーバンスポーツパーク

中村(右)を楽曲で支えたANARCHYさん=宇治市((c)Naoki Gaman/Red Bull Japan)

中村(右)を楽曲で支えたANARCHYさん=宇治市((c)Naoki Gaman/Red Bull Japan)

 どん底からの復活劇を支えたのは、京都市出身のアーティストから贈られた楽曲だった。「京都の格好いい先輩に応援してもらえるのはうれしい」。1日に行われた自転車のBMXフリースタイル・パークで中村輪夢(19)=ウイングアーク1st、京都市右京区=はメダルを逃したが、会場に流れた自らの応援歌「HIGH AIR」さながらに高く宙を舞った。

 中村は中学生時代、逆境からはい上がった伏見区出身のラッパー、ANARCHY(アナーキー)さんの曲や生きざまに刺激を受けた。「写真を撮ってください」「頑張りや」。何げない会話が始まりだった。アナーキーさんは「どこにでもいるBMXキッズって感じだった」と思い返す。

 BMX選手だった父辰司さん(46)の影響で中村は3歳から競技を始め、15歳で全日本選手権の初代王者に。トップライダーの階段を一気に駆け上がった。

 しかし、昨年9月に左足かかとを骨折。長期離脱を余儀なくされた。「心身ともにつらそうだった。何とか勇気づけたかった」と所属マネジメント会社の塚田邦晴代表(39)が中村の尊敬するアーティストに依頼し、応援歌は生まれた。

 アナーキーさんは「輪夢君の応援はもちろん、いろんな人に届くものが作りたいと思った。彼が最高のプレーをするためには最高のサポートが必要だから」と思いを明かす。「別に泣いてもいいんだよ。弱音、吐いてもいいんだよ」とのサビ。そして「けがして大事な物は見つけた」「分かってる高く飛ぶさ」と、中村の背中を押す言葉が並ぶ。

 けがの直前、中村は五輪関連の催しで「自分に克(か)つ」とメッセージを発信していた。けがの恐怖を克服して臨んだ真夏の大舞台。代名詞でもある高い跳躍「HIGH AIR」を見せつけた。