経年劣化でひび割れや腐食が目立つ三条大橋の木製高欄(7月27日、京都市中京区)

経年劣化でひび割れや腐食が目立つ三条大橋の木製高欄(7月27日、京都市中京区)

 京都市の鴨川に架かる三条大橋が、老朽化著しい姿となっている。特に多くの市民や観光客らの目に触れる木製高欄は、前回の修繕から約半世紀を経過して傷みが激しく、地元からは「京都の玄関口なのにみすぼらしい」との声も。財政難の市は改修に向けて全国からの寄付を募っており、2023年度のリニューアルを目指している。

 三条大橋が歴史に登場するのは室町時代とされる。1590年には豊臣秀吉が改修し、江戸時代は東海道の西の起点としてにぎわった。1935年の京都大水害(鴨川大洪水)で流失した後、50年に架け替えられ、74年には木製高欄のみ新調された。

 現在も市中心部と京阪電鉄三条駅(東山区)などをつなぐ要所だが、近年は経年劣化が進み、木製高欄はひび割れや腐食が目立つようになっている。近くの三条小橋商店街振興組合の小森一宏理事長(67)は「特にこの10年の朽ち果て具合はひどい。東から京都へのお客さんを迎え入れる橋なのに、通る人を失望させてしまう状態だ」と嘆く。

 一方、橋を管理する京都市は慢性的に財政状況が厳しく、三条大橋の改修にはなかなか手が付かなかった。そんな中、2018年にようやく高欄や歩道など「上部」の改修から行う方針を決めたが、国の補助を除くと約2億円が必要になることが判明。橋の知名度の高さを生かし、半分の約1億円を全国からの寄付に頼ることに決め、ふるさと納税などを通して支援を呼び掛けたところ、今年6月時点で約8800万円が集まった。

 市は本年度(21年度)で改修の設計を終え、22~23年度に工事を行う予定。木製高欄は市内産のヒノキを使い、デザインはほぼ現状に近い形を踏襲する方針で、「豊臣」の刻印がある擬宝珠(ぎぼし)や飾り金具もそのまま用いるという。

 歩道部分の舗装や防護柵、照明のデザインは、有識者らでつくる検討会議が年内にまとめる報告書を踏まえて決定する。6月にあった第1回会合では「まちのシンボルになるよう夜間は照明をうまく使ってほしい」「和装に合う写真映えするデザインになればいい」などの意見が出た。

 市は橋脚など「下部」についても補修を行う予定だが、時期は未定。市橋りょう健全推進課は「支援いただいた方々の期待に応えられるよう、きれいで安全な橋にしたい」としている。