京都三条会商店街では新元号の予想キャンペーンを行っている(京都市中京区)

京都三条会商店街では新元号の予想キャンペーンを行っている(京都市中京区)

 新元号の発表が4月1日に迫る。政府が複数の専門家に考案を正式委嘱するなど、選定作業は最終段階を迎えているとされる。元号に詳しい京都の研究者たちは「予想するのは難しい」としながらも、採用される可能性のある出典などに注目する。

 日本の元号は「大化」から「平成」まで247を数える。確認できる限り、いずれも中国古典が出典とされるが、今回は日本古典など国書を由来とする案も含まれているとされる。日本古典は中国古典の一節を取り込んだ文章が登場することも多く、日中双方の古典に由来する「ダブル出典」となる可能性もある。

 元号に関する共著がある京都府立丹後郷土資料館(宮津市)の吉野健一学芸員は、個人的見解とした上で、「漢籍からとるという決まりはなく、国書から採用されるかもしれない」とする。一方で、「当て字でなく、意味のある漢字でなければならない」と話し、出典として考えられる候補に、奈良時代にまとめられた日本最古の漢詩集「懐風藻(かいふうそう)」や、平安時代の勅撰(ちょくせん)漢詩文集「経国集」、「文華(ぶんか)秀麗集」などを挙げる。

 また、「2文字とも、過去の元号に使っていない新しい漢字になる可能性は低いのでは」と推測。「新元号を予想するイベントなどもあるが、不要論も含め、元号について考える良い機会になる」と話す。

 京都産業大の久禮旦雄(くれあさお)准教授(日本法制史)は、「平成改元の際もすでに国書から採用する案が検討されていた」とした上で、嵯峨天皇の勅命で編集された「文華秀麗集」などに収録された漢詩に注目する。「嵯峨天皇には、世に病気がはやった時に写経して鎮めたという話がある。その祈りの精神は現在の皇室にも継承されており、象徴天皇制にも相通じるところがある」と説明する。

 元号の意味について、「『大正デモクラシー』などに代表されるように、その時代の空気を象徴し、理解を促す機能がある」と捉え、1日の発表を注視する。