阿蘇海に堆積するカキ殻を使ったしっくいを塗る小山さん(与謝野町温江・かや山の家)

阿蘇海に堆積するカキ殻を使ったしっくいを塗る小山さん(与謝野町温江・かや山の家)

 天橋立の内海・阿蘇海ではカキが大量繁殖して殻が堆積し、景観などへの影響が懸念されている。京都府与謝野町岩滝の工務店「小山住建」従業員の小山拓也さん(34)はカキ殻など丹後地域の素材を使ったしっくいを完成させた。「しっくいは活用の一例。いろんな人が地域の課題に興味を持ち、天橋立の環境が良くなれば」と願う。

 阿蘇海では夏と冬の年2回、地域住民や大学生らが殻の回収を行っている。「カキ殻を建築分野で生かしてしっくいを作ってみたい」。小山さんは阿蘇海の環境問題に関心を持ち、2017年冬から3回、この活動に参加してきた。

 今月上旬には同町岩滝であった回収活動で集めた殻約200キロを持ち帰った。千度の高温で焼いて水をかけて貝灰を作り、そこにのり代わりの宮津市養老地区のアカモクとつなぎ代わりの同町加悦地区の稲わらを混ぜてしっくいに仕上げた。出来上がったしっくいは通常のものに比べて茶色っぽい。小山さんは「味があり、阿蘇海っぽくて良い」と笑う。

 21日には改修中の宿泊施設「かや山の家」(同町温江)で壁塗りの体験会を開催。親子ら計70人が同施設の多目的室の壁を塗り、子どもも大人も黙々と作業を楽しんだ。

 小山さんは「自然の材料なので、保育所や幼稚園、高齢者施設などで使ってもらいたい。広く知られて建築業界が盛り上がればうれしい」と話している。