京都市の財政難に伴い、運営費の節約に取り組む市動物園(左京区)が、通販大手アマゾンジャパン(東京)の「ほしい物リスト」の運用を始めた。園が希望する物品を、支援者が購入して寄付する仕組み。6月の開始直後から扇風機などの寄付が決まり、同園は「あまりの早さに驚いている」と感謝している。
園には動物の餌の寄付が多数寄せられている。遠方の人や、少額でも可能な寄付制度を求める声を受け、「ほしい物リスト」の活用を決め、動物福祉に関連した物品の寄付を募ることになった。
第1弾は、ゴリラが遊べるロープネット(約6万4500円)▽レッサーパンダの給餌器(約2千円)▽ゾウの大型冷風扇(約4万5千円)―など6点。6月22日にリストに挙げたところ、翌日には完売した。京都だけでなく群馬や東京の購入者もいる。寄付者には購入代金によって所得税の控除が受けられる。
故障していたテンジクネズミ舎の壁掛け扇風機も新しくなった。園はホームページで「換気に役立ち、群れで暮らすテンジクネズミの感染症の予防につながる」と写真付きで紹介している。
9月中旬に第2弾を行う予定で、繁殖のために来園したばかりのヨーロッパオオヤマネコやサルの遊び道具、ヤギが体をこすりつけるブラシなどを検討している。和田睛太郎副園長は「いろんな動物がより快適に過ごせるよう、サポートしていただける機会をつくりたい」と話す。